ドラッカ-は『イノベ-ションと企業家精神』(ダイヤモンド社)P.222で、ベンチャ-が成功する原則として次の様に述べています。
①市場に焦点を合わせること
②財務上の見通し、特にCFと資金について計画を持つこと
③トップマネジメントが重要であること
更に、同書P.229~230で挫折の原因として、今月号の本文にもあります様に、次の三点を挙げています。
①今日のためのキャッシュがない
②事業拡大の資本がない
③支出や在庫や債権を管理できない
「財務上の見通しについて、もたないことは、事業が大きくなればなるほど、大きな危険となる」と述べ、
「企業家は、利益を重視する。だが、利益は結果として持たされるもので最初に考えるべきものでない。
利益よりも、キャッシュ、資本、管理のほうが大事である。
それらのものがなければ、利益の数字は絵空事で終わる。
成長するには、キャッシュが必要である。利益は虚構である。
成長は(資金の)余剰の発生ではなく債務の発生と現金の流出をもたらす。(資金の不足を意味する。)
資金のマネジメントはキャッシュフロ-の予測によって容易に行える。
ここでいう予測は最悪のケースを想定した予測である。
常に一年先を見て、どれだけの資金が、いつ頃、何のために必要になるか知っておかなければならない。
一年の余裕があれば手当は可能である。」とも述べています。
ドラッカ-は資金の記述が少ないので、一倉定(経営心得)の次の記述を紹介します。
「利益が出ていること」と、「資金収支のバランスがとれていること」は全く別のことである。
資金は会社存続という面からみれば、損益に優先する。
赤字をいくら出しても、資金が続いている限り倒産することはない。
いくら、利益をあげていても、資金がショ-トすれば会社はつぶれてしまう。
ドラッカ-は資金計画の重要性を上げています。
一倉定も「事業経営は逆算である」とし、経営計画の重要性を唱えています。
別紙で、資金計算書(資金運用表・資金移動表・CF計算書)を説明するともに、訪問の際に事務所の資金収支計算書と運転資金計算書を使って貴社の資金状態をご説明いたします。
また、経営計画策定のためのTKCの継続MASシステムをご紹介しています。